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今年のコスモスを求めて出かけました。昨年は大阪・淀川河川敷の「十三摘み草苑」でしたが、今日は尼崎市の武庫川河川敷にある「髭の渡し」のコスモスです。
「髭の渡し」とは珍しい呼び名ですが、かって西国街道にあった渡し場のことです。京を発ち昆陽(こや)宿(伊丹市)を過ぎると武庫川を渡ります。ここには橋が無かったため徒行渡りか水量の多い時は渡し舟で渡りました。西国街道は昆陽付近では国道171号線にほぼ沿っています。ただ国道は武庫川付近に来ると髭の渡しの下流に架けられた甲武橋を渡るために西昆陽(尼崎市、衛星写真地図)で南へ大きく曲りますが、西国街道は直進し武庫川へ出て髭の渡し場(衛星写真地図)に至ります。堤防を下りるとすぐにある大きな樹の下には常夜燈や行者堂、祠、五輪塔などがあり、とても雰囲気があります。川を渡る前、渡った後にお参りし一服、というところだったでしょうか。常夜燈には「奉 天下泰平 西昆陽村/大乗妙典六十六部日本廻国供養/納 日月清明 行者□□□/文政元年」と刻まれ、各国の霊場に法華経を納めて巡り成就した西昆陽村の六部が奉納したことが刻まれています。そしてコスモスはこの左右の河川敷に植えられています。(文政元年は1818年)
明治の地形図に現在の道路や学校の位置を正確に重ねてみました。西国街道の道筋は江戸時代とほぼ同じと思われます。衛星写真地図と比較してご覧下さい。
川辺に出るとここにも行者さまをお祀りしています。渡し場はこの付近らしく、川向かいは報徳学園。そこから西国街道は住宅街の道になって西宮宿へ続いています。この河原ではかって武士たちも裾をからげ、蓮台などに乗った西国大名がここを渡り、旅人も着物を干し髭の茶屋で一服したことであろうと大きく開いた空のもとでのんびりと空想。
さて、コスモスはこの渡し場の河川敷いっぱいに広がっていて、多分このあたりでは最大の規模でしょう。川向こうには六甲の山並みが霞んでいました。
キバナコスモスはこれから、といったところですがこれはこれで美しく楽しめます。
いつもは部屋にいることが多いお年寄も介護を受けてお花見、明るい陽射しと青空のもとで気持ち良さそうです。
平日なのに多くの人たちが訪れています。ちょっと密生していてあのコスモスの葉のやさしい緑とのコントラストが楽しめないのと、可憐な花なのにこれだけ群になると圧倒されます。贅沢な思いでしょうか。(2009.11.9)
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